何が消費者に刺さってる?商品開発における、オーガニックA/Bテストのススメ

めっちゃスゴイ商品考えた!」
「これ、絶対売れる!市場に刺さりまくってる!」
「よっしゃ!大量生産してめっちゃ広告費かけてガンガン売るぞ!

……こんなハイな状態になったこと、ありませんか?
絶対あるでしょ!

アイデアが湧いた瞬間って、アドレナリンが出まくってるんですよね。
「これは時代が来てる!」って確信してる。
でも、ちょっと立ち止まってほしいんです。

その「刺さってる」という感覚、本当に“市場”の声ですか?
もしかしたら、自分の中だけの熱狂を市場と勘違いしているかもしれません。

「これ、絶対ウケる!」は危険信号

スモールビジネスの製品開発で一番怖いのは、「自分がいいと思うもの=みんなも欲しがる」と思い込んでしまうこと。
あなたの感性は確かでも、「売れるかどうか」は別問題です。

個人事業や小さな会社ほど、最初の方向性ミスは致命的。一度つくってしまった商品やパッケージを直すのは大変です。

とはいえ、アンケートや大規模マーケ調査なんて現実的じゃない。そんなときにこそ役立つのが、「オーガニックA/Bテスト」という方法です。

生産コスト・広告コストをかける前に、お金をかけずに、「何が消費者に刺さっているのか」を検証しましょう!

オーガニックA/Bテストとは?

一般的なA/Bテストは広告を使って行います。
たとえば、2種類のLPを出してクリック率を比較する、みたいなものです。

一方でオーガニックA/Bテストは、広告費ゼロで行う「自然な反応の観察」。
SNSの投稿・デザイン・文言など、日々の発信の中で「どんな表現・見せ方・価値観が刺さるか」を探っていく方法です。

例えば、

テスト項目投稿A投稿B
投稿内容開発ストーリー実際の使い方紹介
写真商品のディテール使っているシーン
キャッチコピー「環境にやさしい」「コスパ最高」

反応を見る指標は、「いいね数」や「保存数」「コメント率」「フォロー数の伸び」など。
つまり、売上になる前の段階で、共感の方向性をつかむわけです。

これが「開発段階」こそ効く理由

スモールビジネスの強みは、修正が早くできること。
テストの結果をすぐ次の試作や発信に反映できるのは、個人・小規模だからこそできるスピードです。

  • SNSで反応の良かった色味 → 試作品のパッケージに採用
  • コメントで多かった不満 → 改良ポイントに
  • 保存数が多い投稿テーマ → 説明ページの構成に反映

こうして少しずつ「刺さるポイント」を見つけていくことで、完成時にはすでに“共感を得た商品”になっているのです。

「数字よりリアルな声」を拾う

A/Bテストというと、どうしても「数値分析」のイメージがあります。もちろんSNSを使ったA/Bテストでもいいね数やコメント数など、エンゲージ数とエンゲージ率をしっかり検証するのが大切。

だけど、コメント欄やDMなどの質的データも宝の山なのです。

  • 「これ、どこで買えるんですか?」→ 購買意欲が高いサイン
  • 「かわいいけど汚れそう」→ デザイン改善のヒント
  • 「プレゼントに良さそう!」→ 想定外の需要の発見

数字の勝負だけではなく「リアルな反応の観察」ができるのもスモールビジネスならではの利点です。

小さく試して、深く学ぶ

大企業は「失敗できないから慎重にテスト」しますが、スモールビジネスは「失敗から学べるからどんどん試す」ことができます。

  1. 仮説を立てる
  2. 小さく出す
  3. 反応を見る
  4. 学んで次に生かす

このサイクルを回していくうちに、“当たる感覚”が育っていきます。

自分の直感より、市場の反応を見よ!

売れる商品を作る人は、「自分のセンスを信じる人」ではなく、「反応を観察できる人」です。

自分のテンションだけで突っ走る前に、ちょっとだけSNSで実験してみましょう。

あなたの中の「これ刺さる!」を、市場と一緒に確かめること。
それが、スモールビジネスのいちばん強い開発力です。