思いついたら、まず試そう!小さな起業に役立つ「リーンスタートアップ」の考え方
「起業って、ちゃんと準備してから始めなきゃ…」
そんなふうに思っていませんか?
もちろん準備は大切。でも、完璧を目指すあまり、一歩も踏み出せないのは、もったいないことです。
そんなときに知っておきたいのが、今回ご紹介する【リーンスタートアップ】という考え方です。
リーンスタートアップとは?
リーンスタートアップとは、「ムダを省いて、素早く試して、学びながら改善していく」起業の方法論です。
元々はIT業界やスタートアップ企業の間で広まりましたが、今では個人の小さなビジネスにも応用されています。
ポイントは、「いきなり完璧を目指さない」こと。まずは小さく始めて、反応を見ながらブラッシュアップしていくやり方です。
キーワード①:MVP(エムブイピー)
MVPは Minimum Viable Product(ミニマム・バイアブル・プロダクト) の略。
ざっくり言うと、「まずは試してもらうための最小限のサービスや商品」です。
たとえば…
- サロンを開業したい
→レンタルサロンを利用し、お試し価格で施術を提供してフィードバックをもらう - オリジナルグッズを売りたい
→ いきなりECサイトを作らず、1点からフリマアプリやSNS経由で販売してみる - カフェを開きたい
→ イベントで1日だけのお試し出店をしてみて反応を見る - 企業向け研修事業を始めたい
→ 無料ミニセミナーを実施し、関心と効果を検証してみる
このように、いきなり立派な商品やサービスを作り込むのではなく、まず“試せる形”にして外に出してみるのがMVPです。
ポイントは、「期間限定」、「1回だけ」など、リスクが小さく気軽に試せること。
このように小さく始めてみることは、実績作り+フィードバック収集ができて、その後のサービス設計にも活かせるのでメリットしかありません。
キーワード②:Build → Measure → Learn(作る→試す→学ぶ)
リーンスタートアップは、以下のサイクルをぐるぐる回すことで成長していきます。
- Build(作る)
仮説に基づいて、まず形にしてみる(=MVPをつくる) - Measure(測る)
実際に使ってもらい、反応や数字を集める - Learn(学ぶ)
何が良かった?何がイマイチ? そこから学んで、改善する
この繰り返しで、現実にフィットしたサービスへと育てていくのが特徴です。
キーワード③:ピボット(方向転換)
リーンスタートアップでは、「失敗=ダメ」ではなく、「学びのチャンス」と考えます。
反応がイマイチだった場合は、潔く方向転換=「ピボット」も重要な選択肢。
最初の仮説が間違っていたことに気づいたら、やり方を変える勇気を持つのもリーンスタートアップ流です。
例:Instagram運用代行 → 投稿テンプレート販売に変更
Before:企業アカウントの運用代行をお試し受託していたが、単価が合わず続かない。
After:汎用的なテンプレートをCanvaで作成したところ、喜ばれた。これを販売し、在庫なしで売上に。
→「代行」より「DIY支援」の方がニーズが広かった
例:手作りパンのカフェ → パン教室開催へ
Before:手作りパンを提供するカフェを開きたくてイベント出店を何度かしてみたが、利益率が悪かった。
After: 「どうやって作るの?」「家でも作れる?」というお客様の声をきっかけに、パン教室に転換。
→商品提供から「体験・学び」の提供へシフト
例:会社向け研修 → 個人の副業向け講座にシフト
Before:企業向けのキャリア支援セミナーを企画していたが営業が難航。逆に個人からの反応が良かった。
After:副業に関心のある個人をターゲットにした週末Zoom講座を開催したところ好評
→ ターゲットをBtoBからBtoCに変更して成果が出た
ピボットのコツ
- 「やめる」のではなく、「形を変えて活かす」と考える
- 自分の強みはそのままに、届け方・見せ方・対象を変えるだけでもOK
- 失敗から学んだことは、次のチャレンジの大きな財産になる
小さな起業にもピッタリな理由

リーンスタートアップは、資金や時間に限りがある個人起業や副業スタートにこそ向いている方法です。
- 「まず試してみよう」と思えるから、行動が早くなる
- 最小限のリスクでスタートできる
- お客様の声を聞きながら改善できるので、ズレが少ない
まとめ:完璧じゃなくていい、まずやってみよう!
「ビジネスアイデアはあるけど、どう形にしたらいいかわからない」
「いつまでたっても準備が終わらない」
そんなときこそ、リーンスタートアップの考え方を取り入れてみてください。
最初からうまくいかなくて当然。
でも、小さく試して、小さく学んで、小さく改善していけば、必ず前に進んでいきます。